社説 20150828 大学入試改革 思考力を判定できるテストに

来源:互联网 发布:免费下载qq软件 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 12:36

大学入試制度は2020年度から抜本的に変わる予定だ。

 不安を抱く子供たちや保護者、学校関係者も多いだろう。政府は丁寧な議論を重ね、社会全体の理解を得ていく努力が欠かせない。

 文部科学省の有識者会議が、現行の大学入試センター試験に代えて導入する「大学入学希望者学力評価テスト」の制度設計に関する中間報告をまとめた。

 昨年末の中央教育審議会答申を具体化したものだ。歴史であれば、年号などの暗記力を問うのではなく、年表や資料を示して、歴史的事象が起きた原因や背景を考えさせる問題を出すという。

 日本の子供たちは、知識の活用に課題があると指摘されてきた。思考力のレベルを測る新テストの方向性は妥当である。

 だが、実現性を考えた場合、不透明な点は少なくない。

 中間報告は、新テストに記述式問題を盛り込むよう提言した。確かに記述式は、表現力を判定する手法としては適している。

 ただ、現在のマークシート方式に比べ、採点に多くの人員が必要だ。新テストは年に複数回の実施が検討されており、迅速な採点も要求される。採点基準を明確化し、公正さを担保せねばならない。

 24年度以降を目途めどに、コンピューター画面で出題・解答する方式の導入も提案された。大量の問題を蓄積できるほか、採点を補助する機能を使えば、試験の効率化が期待できるという。

 大規模試験にコンピューター方式を使用した例はない。端末の整備には巨額の費用がかかる。試験中に機器が故障すれば、混乱は避けられない。導入の長所と短所を吟味してほしい。

 中間報告は、各大学に対し、新テストの成績に加え、高校の調査書、論文や集団討論などの結果を総合的に考慮して、入学者を選抜するよう求めている。

 各大学が筆記テスト中心の個別試験を、労力を要する選抜方式に転換できるかが問われよう。

 今回の入試改革は、高校教育の見直しと連動して進められる。

 高校の次期学習指導要領は、議論を通じて答えを探究するアクティブ・ラーニングを取り入れる。新テストはこの学習の成果を見極める内容にすることも重要だ。

 学力の底上げを図るため、高校2、3年生を対象にした「高校基礎学力テスト」の導入も予定される。テストが増えることに伴う生徒の負担に留意しつつ、適切な実施方法を検討したい。

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