日经社説 20150520 南シナ海の安定脅かす中国の埋め立て

来源:互联网 发布:java正则表达式 可选 编辑:程序博客网 时间:2024/04/30 00:14

中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で岩礁の埋め立てをこれまでになく加速している。アジアの成長地域の安定を揺るがす恐れのある行為であり、容認できない。

 中国の軍事力に関する米国防総省の年次報告書は、中国が南シナ海で進める埋め立てに強い危機感を表明した。米当局者は埋め立て面積が昨年12月時点から4カ月余りで4倍に拡大したとしている。驚くべきスピードだ。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は、先の首脳会議の議長声明で中国の埋め立てを批判した。しかも「深刻な懸念を共有する」という踏み込んだ表現を使った。

 中国は南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶと主張し、大陸から舌を伸ばすように囲い込もうとする。いわゆる「砂の万里の長城」の建設である。他の関係国の共通認識は「中国の主張に国際法上の根拠はない」というものだ。

 ASEANの反発はもっともだろう。平和と協力を口にする中国は関係国が納得する解決策を探るべきだ。埋め立てペースを一時的に弱めるぐらいでは意味がない。

 危機感を抱く米国はケリー国務長官を中国に送り、緊張緩和に向けた行動を促した。中国側は「領土と主権を守る」と反発しつつも、これ以上の摩擦を望まない意向も示した。

 気になるのは中国の習近平国家主席がケリー長官に伝えた「広い太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」との言葉だ。米国と競合する太平洋での影響力拡大へ意欲がにじむ。南シナ海に米国が口を挟むのをけん制した、とも受け取れる。

 習政権の発足後、中国は軍事能力を隠さないようになった。人工島の施設建設には南シナ海の実効支配を強める狙いがある。東シナ海に続く防空識別圏の設置も視野に入れる。目的は制空権確保だ。

 中国の国防費は5年連続で2桁増となった。規模は米国に次ぐ世界第2位で日本の3倍を超す。懸念されるのは中国の海・空軍の一段の増強だ。中国の一連の動きは、太平洋への入り口にある沖縄県の尖閣諸島の問題にも関わる。

 日米両国は先に新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)で合意した。これは海洋安全保障での協力を含む。日米は関係国と連携しながら、中国に挑発的な行為を自制するよう繰り返し促す必要がある。

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