日经社説 20150522 民の知恵で農地の集約促せ

来源:互联网 发布:保护我们的java源码 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 15:47

高齢化によって放置される農地などを集約し、日本の農業競争力を高める政策が進んでいない。

 政府は昨年、都道府県ごとに農地の中間管理機構(農地バンク)を発足させた。耕作放棄地の発生を抑え、規模拡大をめざす専業農家や農業法人、企業などが農地を確保しやすくするのが狙いだ。

 しかし、農林水産省が発表した初年度の利用実績は賃借と売却を合わせて3万1千ヘクタールと、毎年の目標とする14万ヘクタールの2割にすぎなかった。農地バンクは安倍政権が打ち出した農業改革の柱のひとつである。関連予算としてすでに900億円強を投入したのだから、もっと有効に機能させるべきだ。

 新たに農業に参入しようとする企業や、規模拡大をすすめる農業法人を中心に、農地の需要は全国で23万ヘクタールもある。問題はこうした需要に見合う農地の供給が確保できていないことだ。

 高齢化で農作業が難しくなってきても、農地を貸し出すことに不安を感じる農家は多い。まず農地バンクが自らの役割をよく説明することで不安を取り除き、農地の供給を掘り起こす必要がある。

 熊本県は農地の貸し出しを促すため、原則10年以上としていた貸出期間を5年でも可能にし、賃借料の支払いもコメなどの物納でできるようにした。都道府県ごとにこうした工夫を進めてほしい。

 農水省が実施した調査では、農地バンクの役員には県庁の元職員や農業協同組合関係者が多く、制度が求める企業経営者など「民間の知恵」の活用が進んでいないことも明らかになった。

 農地バンクの役割は農地の貸し出しを促しながら、やる気のある担い手とうまく組み合わせることにある。そこに民間企業のノウハウをいかしてもらいたい。

 公共事業による買い上げなどを期待して農地を抱え込む所有者も少なくない。転売目的の保有をなくすには、政府が検討する耕作放棄地に対する固定資産税の課税強化も有効だろう。貴重な農地は農業のためにいかされるべきだ。

0 0