社説 20150614 新銀行東京 経営統合でも残る独断のツケ

来源:互联网 发布:数据文员主要做什么的 编辑:程序博客网 时间:2024/05/30 04:30

巨額の税金を投入してまで銀行を新設する必要があったのだろうか。

 東京都が出資する新銀行東京が来年4月にも、首都圏を地盤とする地方銀行の持ち株会社「東京TYフィナンシャルグループ」の傘下に入ることになった。

 都が保有する新銀行東京株を東京TY株に交換し、都は銀行経営から事実上撤退する。既に店舗は都内の本店1店だけで、民間金融を通じた中小企業対策という当初の意義は失われている。遅すぎたとは言え、当然の選択である。

 新銀行東京は、石原慎太郎・元都知事が2期目の公約の目玉として構想を打ち出し、2005年に開業した。設立の経緯から「石原銀行」とも呼ばれた。

 貸し渋りに苦しむ中小企業への無担保・無保証融資をうたい、都は1000億円を出資した。

 高い専門性が求められる銀行経営に自治体が乗り出すリスクをどう考えるのか。経営破綻した場合、どのように責任を取るのか――。都に対し、計画段階から多くの疑問が呈されていた。

 危惧された通り、甘い融資審査で焦げ付きが相次ぎ、開業3年後に累積赤字が1000億円を超えた。都は破綻回避のために400億円を追加出資し、当初と合わせて、巨大な都庁舎の建設費に匹敵する公費をぎ込んだ。

 店舗と人員の大幅なリストラにより、6年連続で税引き後利益の黒字を確保しているが、設立時に出資した1000億円の大半は、損失の穴埋めに消えた。

 都は、巨額の負担を都民に強いて、問題のある銀行を延命させた事実を、忘れてはならない。

 追加出資については、毀損きそんさせないことを条件として、都議会が可決した。だが、株式交換の比率や東京TYの株価によっては、追加出資分に見合った持ち分を確保できない恐れも出ている。

 新銀行東京が行き詰まった原因について、石原氏らが、設立時の経営陣にあるとの説明を繰り返してきたのは看過できない。

 都は、ずさんな経営が行われないよう監視する立場にある。独りよがりな構想に固執した石原氏はもちろん、巨額の出資にチェック機能を果たさなかった都議会にも責任があるのは明らかだ。

 設立の目的だった中小企業支援という政策の効果はどの程度あったのか。追加出資による延命という判断は妥当だったのか。こうした点の検証と、納税者への真摯しんしな説明なしに、この問題の幕引きを図ることは許されない。

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