天声人語 20150623

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デイゴの赤い花は初夏を彩る沖縄の県花である。南の島の風物詩だが、この花の時期になるとふさぎ込む人が少なくないという。沖縄戦の記憶がよみがえるからだ。70年前のデイゴの季節に、悲惨をきわめた地上戦は始まった▼「人々が砲弾の下を逃げまどう道のかたわらに、血まみれの肉親を抱きかかえるその頭上に、デイゴは咲いていたのです」。息子2人と娘、それに兄と母を失ったコザ市(現沖縄市)の元市長、故大山朝常(ちょうじょう)さんが、つらく悲しい記憶をつづっている▼戦時中、大山さんは青年学校の校長だった。軍の指示で約600人の生徒を戦闘協力に送り出す。半数が帰らなかった。晩年に取材で訪ねると、昔の話をした夜は眠れなくなると、絞るような声で語っていた▼デイゴの花咲く初夏を沖縄では「うりずん」と呼ぶ。〈うりずんの雨は血の雨涙雨 礎(いしじ)の魂呼び起こす雨〉。そんな短歌を『沖縄 うりずんの雨』というドキュメンタリー映画で知った。この季節のよびさます情念が濃厚に伝わってくる▼礎とは、沖縄戦などの死者20万人余の名を刻んだ「平和の礎」のこと。映画は、戦後も米国の戦に酷使されてきた基地の島を、様々な証言を重ねて描き込む。米国人の監督は、米軍は沖縄を「戦利品」として扱ってきたとみる▼日本政府も容認してきたということになろう。辺野古への新基地建設をめぐり、沖縄と本土が厳しく対峙(たいじ)するなかで迎える慰霊の日。もう一歩、もう二歩、沖縄のことを深く知りたい日だ。
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