日经社説 20150627 企業は株主総会を市場との対話の起点に

来源:互联网 发布:nginx 限制ip访问 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 19:24

3月期決算会社の多くが26日までに株主総会を開催した。政府が企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を成長戦略の一つにあげ、東京証券取引所が上場企業の責務を記す統治指針をつくった今年は、ガバナンス改革の元年だ。企業は株主との対話を粘りづよく進めていく必要がある。

 国内外の機関投資家は総会前の議決権行使と前後して、日本企業の経営にさまざまな注文をつけた。総会に出席した個人がトップに直接、経営の方針や戦略をただす場面も多くみられた。

 こうした企業と株主のやりとりで焦点となったのは、社外取締役の選任や株式持ち合いの解消だ。日本企業は取締役会を身内で固め、銀行や系列企業と株式を相互保有することが多かった。こうした側面は日本的経営の閉鎖性の象徴とされ、ガバナンス改革で見直すよう促されていた。

 東証の調べでは3月期企業の総会がすべて終了した後、社外取締役を選任している上場企業は全体の80%を超えるもようだ。同比率は1年前に65%だったから、経営に外部の視点を取り入れようとする企業が、短期間に増えていることがよく分かる。

 この流れを一時的なものに終わらせてはならない。多様な人材を取締役会に多く迎えることは経営の透明性を高め、競争力の向上にもつながるはずだ。

 持ち合い株式については、新日鉄住金や三菱地所、コマツといった大企業の間で売却の動きが広がっている。経済合理性に乏しい株式保有を続ければ経営の効率性も損なわれかねないとの危機感を、企業が投資家から指摘され抱くようになったからだ。

 日本企業のガバナンス改革への国際的な期待は総じて高い。それが株式相場が堅調に推移する背景の一つにもなっている。

 ただ海外投資家の中には、日本企業が社外取締役の人数など、数値基準を重視しすぎることの危うさを指摘する声もある。型に流れた改革は実効性に乏しい。早くから取締役会改革を進めた東芝のような企業が、不適切会計に揺れる現状がそれを物語る。

 株主総会だけが企業と投資家が対話をする場ではない。継続的な意見の交換を通じて企業は競争力を磨き、株主は長期の視点で経営を評価する。企業と株主のそんな関係こそが、企業統治の本来の姿であるはずだ。

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