社説 20150704 がん対策 死亡率減の目標達成が危うい

来源:互联网 发布:悉知这个词是什么意思 编辑:程序博客网 时间:2024/04/29 13:13

国民の2人に1人が、がんを発症している。死亡者を減らし、患者の不安や苦痛を和らげるための対策を強化したい。

 厚生労働省の協議会が2016年度までの「がん対策推進基本計画」の進捗しんちょく状況に関する報告書を公表した。

 政府は「15年までの10年間で、75歳未満のがんによる死亡率を20%減らす」との目標を掲げている。しかし、報告書は17%の減少にとどまるとの推計を示した。

 原因として、喫煙率やがん検診の受診率が想定通り改善されていない点を挙げている。

 目標の達成には、喫煙率を12%にまで引き下げる必要があるが、13年時点で19・3%と、大きな開きが生じている。胃がんなど「5大がん」の検診の受診率も、30~40%台で伸び悩み、想定の50%に達していない。

 発症から5年後の生存率は上昇しているものの、がんは、依然として死因のトップだ。

 予防と早期発見が最も効率的ながん対策である。政府は、禁煙や検診の受診についての啓発を徹底しなければならない。自治体や職場の取り組みに加え、学校でのがん教育にも力を入れるべきだ。

 報告書では、標準的な治療法の普及が十分でない医療現場の状況も明らかになった。

 厚労省は、がん診療の拠点病院の整備により、治療水準の向上と地域格差の解消を図ってきた。

 だが、拠点病院においても、大腸がんの手術後に抗がん剤を使うべき症例で、未使用のケースが半数に上った。抗がん剤治療で吐き気止めを併用すべき症例でも、4割が処方されていなかった。

 がん対策の中核である国立がん研究センターや関係学会は、より効果的な治療法を開発するとともに、医師への研修などを通じた普及に力を入れてもらいたい。

 心身の苦痛を取り除く「緩和ケア」の充実は、基本計画の重点課題の一つだ。報告書では、苦痛が十分に軽減されていない患者が3~4割に上ると指摘した。

 治療の初期段階から、心理面も含め、患者と家族を支える体制作りが必要だ。緩和ケアの専門知識を持つ医師や看護師を育成し、拠点病院への配置を促進することが大切である。

 高齢の患者が増えたことへの対応も欠かせない。複数の持病を抱え、体力が低下した高齢者は、一般的な治療法では負担が過重になりがちだ。入院治療で認知症が悪化する恐れもある。高齢者に適した治療法の確立が求められる。

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