天声人語 20150707

来源:互联网 发布:绝对萌域 淘宝 编辑:程序博客网 时间:2024/06/06 08:49
古代のギリシャに生まれた著述家プルタルコスは、借金を戒めながら、貸し手のあくどさを叩(たた)く。「金貸しどもは、不幸な借り主を不逞(ふてい)の輩(やから)扱いし、市の広場を公然とその懲罰の場にして、禿鷹(はげたか)のように彼らを食らい……」と筆は怒っている▼先の小欄で触れたエッセー(柳沼重剛訳)から再び引いた。時は流れて、古人の言葉が乗り移ったかのような、財政危機をめぐるギリシャの国民投票の結果である▼貸し手である欧州連合(EU)などの求める緊縮策の受け入れに、賛成39%、反対は61%。拮抗(きっこう)が予想されたが意外な差がついた。厄介者扱いの上に言いなりはまっぴらだと、自尊心が燃えた。そんな見方が伝わってくる▼むろん「反対」を鼓舞したのは先賢ではなく政権で、チプラス首相は捨て身でEU側に譲歩を迫るお墨付きを得たことになる。ただユーロ離脱などをにおわせての瀬戸際戦術も、相手が折れるとは限らない。煙を避けて火に飛び込む愚とみる経済通が少なくはない▼危うさを知りつつユーロ圏に引き込み、莫大(ばくだい)な金を借りられる「信用」を与えたEUにも責任はあろう。財政節度のタガが外れた末に国民が被るツケを、文明の国が見せつけている▼我に返って足元をみれば、この国の借金は1千兆円を超す。彼我の国情は違うが、「何とかなるだろう」といった根拠のない楽観は禁物だ。警報に使われるサイレンの語源はギリシャ神話に由来する。わが空に鳴り響いている警報も、もはや半端な音量ではない。
0 0