日经社説 20150725 1票の格差を巡る「嫌な感じ」

来源:互联网 发布:中国银行淘宝信用卡 编辑:程序博客网 时间:2024/04/30 10:09

政治家が自分の議席を守ろうと必死になる気持ちはわからなくもない。さりとて、それが政治活動の全てでは困りものである。参院の1票の格差是正の過程で露呈された議員たちの自己中心的な振る舞い。衆院でも同じことが繰り返されないか厳しく見守りたい。

 参院の定数を10増10減する公職選挙法改正案の、今国会での成立が確実になった。1票の格差は2013年の参院選の最大4.77倍から2.97倍に縮まる。

 最高裁が「違憲状態」と断じた状態のまま来年の参院選を迎えるよりはましである。自民党内に強い抵抗があった鳥取と島根、徳島と高知の合区に初めて踏み切ることも、それなりに評価できる。

 問題はこれまでの経緯だ。最高裁が(1)1票の格差の判断に衆参の違いはない(2)選挙区を都道府県単位とする必要はない――との基準を示したのは3年も前のこと。

 前者は2倍未満にせよという意味だ。これを踏まえ、自民党の参院幹事長だった脇雅史氏は昨年4月、22府県を合区して格差を1.83倍にする案を示した。これが現状における理想形である。

 ところが自民党内は合区で選挙区を失う議員を中心に反対一色となり、脇氏を更迭し、その後1年近く見直し作業を空転させた。時間切れで2倍超もやむなしとの雰囲気をつくる小細工とみられても仕方あるまい。来年の参院選後ただちに、さらなる格差是正に取り組んでもらわねばならない。

 人口が少ない地域の声も国政に反映させることは大事である。だが、1票の格差を放置する以外にやりようがないわけではない。

 格差是正は衆院でも喫緊の課題である。第三者機関が検討中の小選挙区を9増9減する案に、自民党内では「できっこない」と軽んじる声がある。冗談ではない。

 今回の参院採決で公明党は「これでは不十分」として連立後初めて自民党と賛否をともにしなかった。自民党は自身が醸し出している「嫌な感じ」(石破茂地方創生相)を、もっと自覚すべきだ。

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