天声人語 20151029 いじめの芽を摘む

来源:互联网 发布:软件开发加班情况 编辑:程序博客网 时间:2024/05/07 07:31
親しみやすく哲学を語った文筆家の池田晶子さんは、子どものころ、男の子にお下げ髪を引っ張られたり、蛙(かえる)をかざして追いかけられたりしたことがあった。だが陰湿ではなく、池田さんにはそれがどういうことか分かっていた▼「その悪ガキは、私が転校する時ワンワン泣いていたもの」。そういえば小沢昭一さんに〈ログイン前の続き毛虫突きつけ腕白(わんぱく)の恋ごころ〉、渥美清さんには〈好きだからつよくぶつけた雪合戦〉という俳句があった。遠い記憶をたぐるご同輩もおられようか▼だが、懐かしんでばかりいられない。全国の小学校が昨年度に把握したいじめの件数が、過去最高の12万2721件を数えたという。小さな兆候も見逃さない姿勢で調べ上げた結果である。いじめ防止対策推進法では、された側が苦痛を感じるものはすべていじめと定義される▼子どもの世界の自然な営みを阻害することなく、危うい芽を摘んでいく。たしかな目配りとともに、的確に判断をする。教育の場の難しさは門外の徒にも想像できる▼詩人、島田陽子さんの大阪弁の詩を思い出す。〈あの子 かなわんねん/うちのくつ かくしやるし/ノートは のぞきやるし/わるさばっかし しやんねん/そやけど/ほかの子ォには せえへんねん〉▼〈そやねん/うちのこと かまいたいねん/うち 知ってんねん〉。ふと頬がゆるむ一方で、エスカレートする行為に苦しむ子もいるのではと思う。中学高校もだが、いじめは許さぬ意志を堅くして子らを包みたい。
0 0
原创粉丝点击