天声人語 20160321 春の空は気まぐれで

来源:互联网 发布:背身护球 知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/06/07 00:26
食あたり予防に「気象庁」を3度唱えるまじないがあったと前に書いた。天気予報が当たらないことに掛けた皮肉だが、調べると起源は明治までさかのぼるようだ。気象庁刊「気象百年史」によれば、熊本では測候所の栗山さんという主任の予報がよく外れたらしい▼そこで「栗山さん」を3度唱えれば生水に当たらないと言われだログイン前の続きした。隣の鹿児島では「測候所」を3度唱えていたという。ところが日露戦争の時は、天気予報は「たま(弾)に当たる」から、まじないは言ってはいけないとなったらしい▼もっとも、こうした伝説が確かかどうかは「百年史」でもいささか曖昧(あいまい)だ。時は流れて予報は格段に正確になり、東京を例にとれば、翌日雨が降るかどうかの的中率は85%を超えている▼しかも至れり尽くせりだ。朝、外気に触れなくてもテレビの予報士さんは服装指南までしてくれる。「薄手のコートを」「折りたたみ傘も」。逆に、頼りすぎて人間の天気感覚が鈍化してしまわないか心配になる▼春分の日をまたいで、各地から桜の便りが届きだした。気象庁は6年前に桜の開花予想をやめ、いまは日本気象協会や民間の気象情報会社が独自の予想で精度を競う▼春先の空は気まぐれで、咲いた後も「花に嵐」が気にかかる。店やイベント関連の人だけでなく、お花見幹事も空模様に一喜一憂する季節となる。計算上は桜前線は時速約2キロで北上するそうだ。幼児の歩みほどである。今年の雨よ風よ、どうかやさしく頼みます。
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