天声人語 20160328 四国新幹線のゆくえ

来源:互联网 发布:网络安全工程师学习 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 18:34
昨春の北陸に続き、この春は北海道が歓声に包まれた。新幹線の開業は、挙げてお祝いすべき慶事だが、さて四国の人々も同じ気分だろうか。四国には新幹線がない▼「北海道と本州、九州がつながり四国だけ取り残された。残念です」。四国の大手企業が名を連ねる四国経済連合会の専務理事、石原俊輔さん(59)は言う。新幹ログイン前の続き線を呼び込む運動の財界側実務をになう。最近も金沢駅を視察し、新幹線効果を実感した▼予測では四国計400万人の人口が30年後には300万人に減る。「1県分の人口が消える。在来線だけではもう公共交通が維持できない。新幹線なしでは人の波が絶えてしまう」▼列島改造のむかし、新幹線の構想は長短十数路線あった。東北や上越、九州は実現したが、四国や山陰などは手つかずのまま40年が過ぎた▼「我田引鉄」という言葉がある。政治家が地元エゴで路線を引き直させ、駅を置かせることを指す。古くは元首相の原敬が有名だ。地元岩手や近隣県に無理やり鉄道を敷いた。新幹線延伸の時代になっても「この駅は某議員のツルの一声」「あの路線は某大臣のおかげ」といった話をよく聞く▼いまでも新幹線という事業は、「引鉄」合戦の産物なのだろうか。そうだとしたら、四国新幹線への道のりはあまり平坦(へいたん)に見えない。現に参院では高知と徳島が合区され、議員が1人減らされる。この合区も山陰と同時である。東京と地方の格差は広がる一方だが、地方と地方の格差もかなり深刻である。
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