天声人語 20141217

来源:互联网 发布:河南中小学生消防知 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 19:01
なぜ日本には欧州のような実用一点張りの小型大衆車がないのか。なぜ日本人は車を無意味に買い替えるのか。斬新な批評に満ちた『間違いだらけのクルマ選び』が世に出たのは1976年だった▼レーサーから自動車評論の寵児(ちょうじ)となった徳大寺有恒(とくだいじありつね)さんは以後、シリーズを出し続けた。いま書店に並ぶ2015年版の原稿を書き上げた直後、先月7日に死去。遺著の冒頭に掲げられたのは、「MIRAI(ミライ)」試乗記だった▼トヨタが今月15日に発売したばかりの燃料電池車である。水素を燃料とし、空気中の酸素と反応させ、電気をつくって走らせる。走行中に水は出るが、排ガスや二酸化炭素は出さず、「究極のエコカー」とされる。一般向けの販売は世界初という▼あらゆる意味で「凄(すご)い」のひと言――。徳大寺さんは絶賛を惜しまない。「なにからなにまで初めてだらけ」の挑戦が実を結んで、「感慨無量」だ、と。日本車が進化することをひたすら追求してきた人だから、うれしかったのだろう▼開発は長い道のりだった。当初は1台1億円といわれた。それが国の補助金を受ければ、高級車並みとはいえ約520万円で買えるまでになった。辛抱強い技術陣の努力には徳大寺さんならずとも頭が下がる▼ただ「究極」というには課題もある。走行中はよくても、水素をつくる過程で二酸化炭素が出る。ガソリンより高い値段を下げる必要もある。エネルギーの主役は石油から水素に交代するか。「未来」を待ちたい。
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