社説 20150402 日銀短観足踏み 景気回復の持続力が問われる

来源:互联网 发布:如何添加淘宝客服 编辑:程序博客网 时间:2024/06/16 10:04

消費税率が8%に引き上げられて1年。増税で減速した景気が回復する歩みは、まだ弱い。

 3月の日銀企業短期経済観測調査(短観)は、景況感を示す業況判断指数が、大企業の製造業でプラス12と、昨年12月の前回調査から横ばいだった。非製造業は2ポイント高いプラス19だが、改善は小幅だ。

 3か月先の業況を予想する指数は、大企業、中小企業とも悪化を見込んでいる。

 足元の企業業績は、円安や原油安の追い風を受けて、上向いている。政府は3月の月例経済報告で「企業部門に改善がみられる」との見方を示し、景気判断を8か月ぶりに上方修正した。

 それでも企業心理の改善が進まないのは、多くの企業が、現在の好業績は円安や原油安など市況頼みの側面が強く、継続性に疑問があると見ているためだろう。

 市場環境に恵まれている間に、民間需要の拡大を図り、自律的な成長につなげていく必要がある。安倍政権は、経済政策「アベノミクス」を着実に推進し、民間活力を引き出す規制緩和など成長戦略を強化すべきである。

 好循環の芽は育っている。

 今回の短観では、企業の人手不足感が、1992年以来の水準に強まっていることが示された。

 今年の春闘では、多くの大企業が昨年を上回る賃上げに踏み切った。中小企業や非正規労働者への波及も期待される。

 4月からは、増税分が前年比の物価上昇率を押し上げる影響はなくなる。賃上げの恩恵を実感しやすくなろう。

 円安のあおりを受け、乳製品や食用油の値上げが相次いでいるのは懸念材料だが、雇用・所得の好転が消費増加に結びつけば、内需拡大の歯車が動き出す。

 一方、雇用環境の改善は、中小メーカーや外食、流通などの企業から見ると、従業員の確保が一段と困難になる面もある。

 人手不足が深刻化して、生産など企業活動に対する制約が広がれば、経済再生の足かせとなる。政府は、省力化投資を促す支援策などを拡充し、企業の事業展開を後押しすべきだ。

 欧州の景気停滞や新興国の成長減速などで、海外経済の不透明感が強まっている。年内に予想される米国の利上げをきっかけに、混乱が新興国をはじめ世界に波及する恐れも指摘される。

 政府と日銀は、海外の変調が、日本経済を揺さぶるリスクへの備えを忘れてはならない。

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