日经社説 20150217 言論へのテロの連鎖止めよ

来源:互联网 发布:ae电子相册制作软件 编辑:程序博客网 时间:2024/06/18 00:47

言論を暴力によって封殺することは許さない。そうした決意を新たにする事件がデンマークの首都コペンハーゲンで起きた。

 14日から15日にかけ、「イスラム教と表現の自由」について論じ合っていた集会と、シナゴーグ(ユダヤ教会堂)周辺が相次いで銃撃され、市民2人が死亡し警察官5人が負傷した。その後、容疑者とみられる22歳のデンマーク生まれの男は警察官に射殺された。

 パリで風刺新聞社などが襲われてから1カ月あまり。表現の自由に対するテロの連鎖を思わせる事件である。これ以上の事件の拡散をどう封じ込めるか、表現の自由という価値観をどう共有するのか。国際社会は重い課題に向き合っている。幅広い連携と粘り強い相互理解の努力が必要である。

 射殺された男には武器所持などの犯歴があったというが、事件の詳しい背景は分かっていない。

 ただ、集会はパリの連続テロを受けたもので、イスラム教預言者ムハンマドの風刺画を描いたことで過激組織に脅迫されていたスウェーデン人画家らが出席していた。パリでは新聞社とユダヤ人向け商店が標的になっており、今回も集会とシナゴーグが狙い撃ちされた可能性が大きい。

 パリの事件の後、表現の自由を無条件の価値だと訴える意見の一方で、預言者を侮辱する風刺画に対してイスラム教信者が抱く反発や嫌悪感を他の人々も理解する必要があるという考えも、強まっている。襲われた集会もこうした問題意識で開かれたようだ。

 多様な文化、宗教を背景に持つ人々が共生することは、これからの世界にとって欠かせない条件である。簡単に答えの出る問題ではない。話し合いによって相互理解の努力を続けることで共生の道を見いだすしかない。

 どんな場合でもテロ行為は容認できない。人々が分断されお互いを敵視するような社会にしないため、治安の強化はもちろん、福祉や教育など政策を総動員した対応が各国には求められている。

0 0
原创粉丝点击