天声人語 20150118

来源:互联网 发布:js 双击截图事件 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 07:56
民芸の美を説いた思想家柳宗悦(やなぎむねよし)は、「手仕事」の価値を称賛した。機械と違い、手は「いつも直接に心と(つな)がれている」。だから、手仕事は人間に働くことの「悦(よろこ)び」を与える、と。人と労働との幸せな関係である▼バブル時代、「24時間戦えますか」というCMが流行した。ドリンク剤を飲んで猛烈に働く「ジャパニーズビジネスマン」の姿が世相を映した。若かった筆者も徹夜の原稿書きの度にごくりとやって気合を入れた。そこに働く幸せがあったかどうか、もはや判然としない▼時間に縛られない働き方ができるようになるという。個人の生活スタイルに合わせた柔軟な働き方ができると語る財界人もいる。言葉は美しい。何時間働いたかではなく、どんな成果を出したかで賃金を決める新制度の骨子案を厚労省が示した▼要は「残業代ゼロ」である。為替ディーラーやアナリストなどとして勤める専門職で年収1075万円以上の人が対象。残業してもしなくても同じなら、人は仕事を早く片付けようとし、効率や生産性が上がるはずという理屈だ▼眉に唾(つば)をつけたくなる。経営者に都合がよすぎないか。成果を求めるのも、それを値踏みするのも会社側だ。結局、労働者は一層の長時間労働を強いられるだけ。労組がそう懸念するのももっともだろう▼似たような制度は以前にも議論され、立ち消えになった経緯がある。今回もさらなる熟議を望みたい。人と労働との関係が、いまよりも不幸なものになっていいはずはない。
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