日经社説 20150118 柔軟に働くホワイトカラーをより多く

来源:互联网 发布:转基因大豆 知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 10:52

新しい制度を利用できる人を、もっと広げられないか。労働時間の長さではなく、成果に応じて賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に向け厚生労働省が示した案は、対象者を限定しすぎている。

 新制度は短い時間で成果をあげる効率的な働き方を促す。企業の生産性も高める。より多くの人が対象になるよう設計すべきだ。

 労働時間は原則として1日8時間まで、1週間では40時間までと定められ、残業や休日出勤には雇用主に割増賃金の支払いが義務づけられている。ホワイトカラー・エグゼンプションの考え方は、企画や管理、研究開発などに携わる人についてこうした労働時間規制をなくし、賃金を働いた時間に連動させないというものだ。

 働く時間が長いほど生産量が増える工場労働と違い、ホワイトカラーの仕事は成果を時間で測れない。戦後に工場労働を念頭に設けられた労働時間規制を、経済のソフト化やサービス化にあわせて見直していくのは妥当だ。

 効率的な働き方によって1人あたりの生産性が上がれば労働力不足を補う効果も期待できる。

 だが厚労省が労働政策審議会に示した案は、制度の意義を十分に生かせるか疑問だ。対象者を少なくとも1千万円強の年収がある、金融ディーラー、アナリストなどの専門職に限っている。

 高収入の人に絞ったのは、「残業代がゼロになる」との批判も考慮してだろう。ただ新制度では、これまでのおおよその残業代も「込み」にして賃金を決め直せる。対象業務を企業の労使で決められるようにするなどで、制度を活用できる人を増やすべきだ。

 労働時間規制がなくなれば過重労働を助長するとの懸念も出ている。厚労省案は制度を利用する企業に、本人の同意に加えて年104日の休日の設定などを求めることとしたが、あいまいな部分も多い。健康確保は制度導入の条件だ。内容を詰める必要がある。

 また厚労省案は、仕事の範囲をはっきり決められる社員を対象とすべきだとした。過重労働対策として職務の明確化は必要だろう。

 裁量労働制の対象に営業職の一部などを加えることも厚労省は打ち出した。ホワイトカラー・エグゼンプションを使える人が増えれば柔軟な働き方が広がる。この制度の普及に向け、十分な健康管理ができる環境づくりを急ぎたい。

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