社説 20150224 西川農相辞任 農業改革の体制再建が急務だ

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西川農相が自らの政治献金問題で辞任した。

 安倍政権には痛い打撃だが、西川氏は野党の厳しい追及を受けていた。国会での新年度予算案審議や、大詰めの環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への影響を考えれば、辞任はやむを得ない。

 西川氏が代表を務める自民党支部は2013年7月、砂糖業界団体の関連会社から100万円の寄付を受け取った。団体は、その4か月前に農水省から13億円の補助金交付が決まっていた。

 政治資金規正法は、企業などに、国の補助金交付決定の通知後1年以内の政治活動に関する寄付を禁じている。団体と会社は別法人だが、団体の会長が社長を兼務するなど、密接な関係にあった。

 砂糖の原料は、TPP交渉で関税撤廃の例外を目指す「重要5項目」の一つで、西川氏は当時、自民党TPP対策委員長だった。

 自民党支部は12年9月にも、林野庁の補助金受給が決まった栃木県鹿沼市の木材加工会社から300万円の献金を受けていた。いずれの寄付も返金されている。

 西川氏は、「法律に触れることはない」と改めて強調する一方、辞任の理由について「これから農政改革をやる時に内閣に迷惑をかけてはいけない」と語った。

 疑問なのは、西川氏が「私がいくら説明しても、分からない人には分からない」と述べ、説明責任を放棄するような姿勢を示したことだ。辞任で疑惑を幕引きにせず、一連の献金の趣旨や経緯などについて説明を尽くすべきだ。

 安倍首相は、「任命責任は私にある」と陳謝した。今後の政権運営について「しっかり政策を前に進めていくことによって責任を果たしていきたい」と語った。

 政治とカネの問題では、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相が昨年10月に辞任した。辞任した3人はいずれも昨年9月の内閣改造で起用された。事前調査が不十分だったことは否めない。

 第1次安倍内閣でも、赤城徳彦氏ら3人の農相がカネの問題で交代している。農相ポストは首相にとって“鬼門”なのだろうか。

 首相は、西川氏の後任に、林芳正・前農相を充てた。国会審議を乗り切るため、即戦力となるとの判断だろう。妥当な人事だ。

 政府は、農協改革を実行するための農協法改正案を今国会に提出する。TPP交渉が妥結すれば、国際競争力の強化など、強い農業の確立が待ったなしとなる。改革を前進させるため、早急に体制を立て直さなければならない。

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