日经社説 20150525 高齢者の消費者被害を防げ

来源:互联网 发布:js冲锋枪 编辑:程序博客网 时间:2024/05/15 20:47

高齢者の消費者トラブルが相次いでいる。一人暮らしや認知症のお年寄りを狙った悪質商法もあり、被害は高額になりがちだ。地域で高齢者を見守る体制を築き、被害の拡大を食い止めたい。

 消費者庁によると、全国の消費生活センターに寄せられた高齢者の相談は、2013年度までの5年間で6割以上増えた。この間の同世代の人口の伸び(約1割)を大きく上回っている。

 高齢者の場合、自分では被害に気付いていないことも多い。同庁は悪質商法や誇大広告などで、14年は約1千万件の消費者被害・トラブルがあったと推計するが、うち約100万件は本人が自覚していない高齢者の被害という。

 孤独につけ込んで親しげに接し、商品を断れないようにする。認知症などで判断力が低下した人を狙い撃ちにし、次々に買わせる。悪質商法の手口は年々、巧妙になっている。誰がいつ、被害に遭ってもおかしくない。

 どんな手口や被害があるのか。行政が高齢者やその家族に分かりやすく情報を提供し、自衛を促すことは大事だが、それだけでは足りない。

 民生委員や介護のヘルパーが高齢者の様子がおかしいことに気づき、それがきっかけで相談につながるケースは少なくない。来春にも施行される改正消費者安全法は、自治体を中心に協議会をつくり、見守りが必要な高齢者の情報を地域で共有できるようにすることが大きな柱だ。実効性あるネットワークになるよう、自治体は工夫してほしい。

 消費生活センターなどの相談対応の力を伸ばすとともに、問題がある業者への行政の監視、取り締まりを徹底することも必要だ。成年後見制度など、高齢者の権利を守る制度への理解も広めたい。

 一方、政府の検討会では、トラブル防止のため、特定商取引法を見直し、規制を強化することなどが検討されている。健全な事業活動まで萎縮させることがないよう、よく議論してほしい。

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